歯茎が下がってしまった時に、歯茎の再生治療(結合組織移植術)によって露出した歯の根っこを覆うことが可能な場合、難しい場合があることが報告されています。
どういった場合に歯茎を再生すること難しいかをご説明いたします。
お写真の歯茎は、歯と歯の間と唇側のはぐきが両方下がってしまっています。こういったケースは完全に歯茎の再生治療で回復させるのが困難です。
このお写真のかたは以前、歯茎の移植処置を受けられたそうですが,歯茎の色が変わっただけで歯茎が下がったまま改善されないと言う事でご来院いただきました.
このケースのように歯と歯の間の歯茎が下がってしまっている場合は、間の歯茎を回復させる事がむずかしいです.ただ、表側の歯茎の下がってしまっている部分は歯茎の再生治療を行う事で一部はぐきが回復します。
以前、遊離歯肉移植法という方法で歯の根っこを覆う処置を行っていた時代もありましたが、この方法を行うとお写真のように歯茎の色が変わってしまうだけで回復しない事もありました.
~歯茎の再生治療の注意~
お写真を見ていただいてわかるように回復した歯茎が剥がれてしまっているということはありません。しっかりと厚くて丈夫な歯茎が出来上がってきています。
歯茎の再生治療は保険外診療となります。当院では、歯茎の再生治療1~3本で7万7千円(税込み)かかります。また、術後は歯ブラシができないため、病院で消毒・クリーニングを行います。消毒も保険外となりますので、1回の消毒・クリーニングに¥5,500−(税込)の費用がかかります。
歯茎が下がって歯の根っ子が露出しています。このケースのように歯茎の炎症がなく、歯と歯の間の骨が吸収していないケースに関しては、露出した歯の根っこを覆えることが報告されています。
n 歯茎の再生治療のリスクと対策
歯茎の再生治療は外科的な治療ですので、治療後に糸でしっかりと縫う必要があります。尖ったものが刺さってしまったりして歯茎が開くと出血してしまうリスクがあります。また、術後に腫れや痛みが出ることがあります。そのため、当院では、出血予防止血対策にに止血用マウスピースをお渡ししております。また、術後の注意を守っていただいております。
歯茎の再生治療は、歯周病の進行具合や感染の状況によって回復できる歯茎の位置が変わります。ご希望の位置まで歯茎が必ず回復する治療ではありません。当院では、審美的な回復のための方法も行っておりますので併せて紹介しております。